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恋人と奴隷とわたし

2007–01–15 (Mon) 20:23
先日、恋人から電話がかかってきた。「あのな、訊きたいことがあるんやけど、いい?」改まった声に、少しドキッとした。誰しもがそうであるように、私も色んな人に色んな秘密を抱えているので、一体ナニゴト、と身構える。それでも「うん、なぁに?」と気さくに返事すると、恋人は一瞬の後、告げた。「奴隷がいるん?」

は? え? なんで? 何でそれを知ってるの?

私が恋人に隠している唯一の秘密。それを恋人はあっさりと口にした。まさかバレるはずはない、と高をくくっていた私の平常心を崩すには十分すぎる一撃だった。「なんで?」と訊くと、「mixiで見たから」と恋人は言った。ハッとした。そうだ、ミクシィのプロフィールにそんな事を書いていた。でも恋人のページからは飛べないようアクセス禁止にしているはずなのに何故……。その疑問もすぐに恋人が解決してくれた。どうやら、恋人は私のページを最初訪れたときにお気に入りに入れていたらしい。「お気に入り」登録すると、たとえアク禁をかけられていてもプロフィールの最初何行かは表示されるのだ。(相手のページへは飛べないんだけど)そして私は、迂闊なことに、「奴隷がいます」の言葉も初っ端に書いていた気がする。

以前、私の携帯が止まった時、恋人と連絡が取れなくなったことがある。焦った相手はミクシィで私を探して、ミクシィのメールで私にコンタクトを取ったことがあるのだ。念のため、その後、アク禁にしておいたので今までは恋人が私のミクに訪れることもなかったのだけれど...ほんと、迂闊だった。

結局、恋人には「あ~、あれね……なんていうか、その、言っちゃっていいのかなぁ、まあ、奴隷みたいな恋人だよね、ていう。(笑)」と言って切り抜けた。(つもり)恋人も「あ、やっぱり?」みたいな反応だったので、今はたぶん気にしてないと思うけれど……どうなんだろう。

恋人への隠し事は正直疲れる。いつでも頭のどこかで張り巡らさなければいけない緊張感が私を蝕む。私はエゴイストなので、自分の精神衛生のために、恋人には何でも喋ってしまう。喋ってしまえば楽だから。相手がそれを受け入れてくれれば余計に楽だ。相手に甘えてしまえば私は緊張感から解放される。

けれど、奴隷がいることを恋人に告げるのは、私の中で唯一のタブー。恋人は私を受け入れてくれるけれど、それでも、恋人はやはり一般的で、ノーマルな人間なのだ。そして、恋人に対してだけ私は少々Mチックになるので、私が元来サディストな人間だということも、相手はきちんと理解していない。恋人相手では「なんとなくそういう世界もあるんだろうなぁ」くらいの「認識」しか得られない。認識は認識であって、理解ではない。真の理解は、同士としか得られないのである。

理解できない世界において、「私の全てを受け入れてよ」なんて無理な話。受け入れられない世界を知ってしまったとき生じるのは、見知らぬ他人への嫉妬や、言い知れぬ不安だけ。何でも喋ってしまう私だけど、SMの深いところまでは、恋人に喋るのはかえって酷だろうと考えている。だから絶対に奴隷の話は恋人にしない。仕事の話をたまに訊かれるけれど、適当にはぐらかす。「絶対に店のサイトを探しちゃ駄目だからね」と念を押す。

それでも、いつか知られてしまう時が来るんじゃないかと、いつも不安を抱えている。不安なのは何故? 知られてしまえば、嫌われてしまうかもしれないという危惧? 失いたくないと思うのなら、いっそすべて辞めてしまおうか……。けれど、それも出来ない。恋人と居ると満たされるし、必要な人だけれど、全てになんて出来ない。SMを捨てられない。この世界が好きだから。奴隷だって欲しい。魂の解放を、私だって欲している。その為には奴隷が必要なのだ。

訪れる日が来るかも知れない「いつか」をいつも身に纏いながら、それでも、恋人を愛してる。その「いつか」が来れば、恋人は嘆くかもしれないし、怒るかもしれないし、何も言わず去るかもしれない。もしかしたら、二択を迫られるかも、しれない。そんな日が来れば、私は、悩んで悩んで、それでも、恋人との別れを選ぶんじゃないかとも思うし、逆に、SMを捨てるんじゃないかとも考える。

厄介な世界に足を絡めとられたものだ。知らなければ、私は、ふつうの女の子たちと同様に、ふつうに恋人を愛して、ふつうに恋人のことだけ考えられただろうに。こんな事で悩まなくたって良かったかもしれないのに。けれど私は知ってしまった。SMという名の美を。魂の解放を。湧き上がるエクスタシーを。わたしの、居場所を。


愛を選ぶか、趣味を選ぶか、まだ答えは出せない。

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